なついろ

気の向くままに

羨ましがられても嬉しくなかった

先日とある人と、世間話をしていた

私は大学生で、来年の春からは東京で新社会人として働く

そんな身の上話を、聞かれたから答えた
そうしたら随分と羨ましがられた

「大学に行きたかった。金銭面に問題はなかったが、親が離れていかれるのを嫌がったから、私は大学に行けなかった」という話を彼女から聞いた

私は、今では1歳ぐらいの子供がいる彼女の人生だって当たり前に幸せなものだと思っていた。だから驚いた

彼女は、「東京にも住みたかった」と続けた

彼女にとっての希望の選択を、私はしていたのである

親が寂しがっても行っちゃえば良かったじゃないか、ともその時一瞬思ったが、家庭の事情は想像で至ることはできない
ましてや、お金を出してくれるのは親なのだから

彼女のその時の判断は、その時できる最善だったのかもしれない


で、まぁ、ただの世間話をするつもりだったが

随分と私の人生を羨ましがり、彼女は自分の人生をしょんぼりと語った

それ以上、この話を続けられなかった

彼女にとっては「良いなぁ」って思うような人生かもしれないが、これは私の人生である

他人同士だからこそ、お互いに表面しか見えていないのだろう

(彼女には言わなかったが……私だって、彼女が車の免許をとる時に当時の彼氏に運転を教えてもらった話を聞いて心底羨ましいと思ったのだ。)

私だってあなたの人生のどこかを羨ましいと思っている

でも、その事を私は別に伝えたい訳ではない

だから、これ以上私の人生を気軽にこの人に話せないなと思った

私の人生は彼女にとっての希望の選択だから。

私は彼女に自分の人生を卑下してほしい訳ではないから

世間話を始めた時
私は、別に羨ましがってほしい訳ではなくて、もしかしたらささいな愚痴を聞いてほしかったのかもしれない

そんなことをこの前思った